豊胸手術と聞くと、プロテーゼバッグを胸に埋め込む方法や、脂肪やヒアルロン酸を注入する方法を思い浮かべる人が多いですが、近年になり、新しい手術方法の研究が急ピッチで進められるようになってきました。それは、最先端の皮膚再生医療を応用した方法なのですが、患者自身の体から採取した血液を用いる豊胸手術です。もちろん、患者の体から採取した血液をそのまま胸に注入するわけではありません。血液を遠心分離機にかけて血清だけを取り出し、細胞を活性化させた上で胸に注入するという方法をとるのが一般的です。現在のところ、この方法による豊胸手術を行っているクリニックの数は限られていますが、これからは増加していくだろうと予想されています。

もともと患者の体内にあった血液を用いて胸を大きくするわけですから、アレルギー反応が起こる心配をする必要が全くありません。ただし、脂肪注入法による豊胸手術を受けた場合にも、同様のことが言えます。まだ誕生したばかりの新しい方法で豊胸してもらうよりも、既に一定の術式が確立されている脂肪注入法による豊胸手術を受けるようにした方が安心できると考える人もいます。しかし、脂肪注入法による豊胸手術とは異なり、体のどこにもメスが入れられないというメリットがあります。脂肪注入法の場合は、胸にメスが入れられることはないものの、脂肪吸引管を体内に挿入するために体をメスで切られることになります。でも、血液の採取であれば体を切らずに行うことができます。体に針を刺すだけで済むので、術後のダウンタイムがほとんど必要ありません。また、当然のことながら、傷跡も残りません。

手術の特徴と手術後のケア

豊胸手術はプチ整形でできる豊胸と、メスを使用して行う豊胸の二種類があります。プチ整形で行う豊胸の代表が「ヒアルロン酸注入法」です。ヒアルロン酸注入法はアンチエイジングにも使用されているおなじみの注入法です。注射器を使ってヒアルロン酸を入れることで、まな板のようなバストにふくらみを持たせることができます。ヒアルロン酸注入法はプチ整形なので、持続力に限りがあります。半永久的な効果が欲しい場合は、生理食塩水やシリコンなどのバッグを入れる「バッグ挿入法」が効果的です。切開するのはわきの下なので、ほとんど傷跡が目立たない手術です。また、最近のシリコンバッグは種類が豊富で耐久性にも優れています。一回の豊胸手術で、自分が希望するバストサイズに出来ます。

手術後の過ごし方

どんな美容整形でも、メスを使用する手術にはダウンタイムがつきものです。バッグ挿入による豊胸手術の場合、抜糸をするまでは腫れや痛みが伴うので、出きる限り安静にして過ごすことが大切です。痛みが出る場合は、処方してもらった鎮痛剤を飲めば解消できます。どうしても痛みが引かないようなら、手術をしたクリニックに電話をして、指示を仰ぐことをお勧めします。腫れが引いたら毎日マッサージをして固くなるのを防ぐ必要があります。ヒアルロン酸注入法による豊胸手術は、ダウンタイムはないので、いつも通りの日常生活ができます。針を刺した赤い跡が残りますが、3日程度でなくなります。注入後はマッサージをして柔らかくしておくと、ヒアルロン酸がなじんで仕上がりが自然になります。

胸を大きくするバッグとは

豊胸手術はシリコンバッグを入れる方法が一般的です。以前はシリコンバッグが破れたりして人体に被害を与えたりする事故がよく起こったりしていました。最近はコヒーシブシリコンバッグという、膜が何層にもなっていて破れにくいものが使われているので安全です。もし破れても中の液体やジェルがもれないようになっているので体への被害はありません。シリコンバッグは、胸を希望の大きさや形にするための豊胸手術に向いています。ヒアルロン酸注入や脂肪注入では施術できない、カップを大きくする手術もシリコンバッグなら可能です。長期間使用ができるシリコンバッグですが、定期的に検診してバッグの破損などがないか調べるのも体にとっては大切なことです。

レントゲンに写ることも

シリコンバッグは丸い形のラウンドタイプと涙型のアナトミカルタイプがあります。美容外科の豊胸手術の4分の3はラウンドタイプのものが使われています。ラウンドタイプの方が涙型より形を維持しやすいからです。シリコンバッグを入れる位置も医師により大胸筋下、乳腺下、筋膜下とわかれます。豊胸手術を受ける人は皮下組織が薄かったり痩せている人が多いので、この場合は大胸筋下を切開することがほとんどです。手術をする70パーセント近くが大胸筋下を切開します。現在使われているシリコンバッグは安全性が高く、乳がんで乳房を切除した場合の形成手術にも使われています。シリコンバッグをいれると、乳がんが発生しやすいと考えている人がいますが、それは間違いです。また、乳がん検査や健康診断を受ける予定の方がいるかもしれませんが、シリコンバッグはレントゲンに写ってしまうので、その際はそれが入っていることを申告しましょう。

豊満なバストに

豊胸手術は見た目や感触が不自然ですぐにバレてしまうのではないかという心配をしている方もいるのではないでしょうか。豊満なバストは魅力的ですが明らかに豊胸手術と分かってしまうのは避けたいという気持ちは誰しも持っているものでしょう。海外セレブの中には、あえて豊胸手術であることが分かりやすいようなデザインのバストを選んでいる方もいると言われています。人形のような人工的なバストを作ることもできますが、自然なバストの形で豊胸することももちろん可能です。感触についても、プロテーゼの品質が向上したり種類も増えていることから好みの柔らかさを選べるまでになっています。どのような形と柔らかさに仕上げるかといったことはカウンセリングでしっかり打ち合わせをして決めていくことになります。

適切なアフターケア

豊胸手術にはシリコンバッグのようなプロテーゼを挿入する方法以外にもヒアルロン酸の注入や、自分の体の余分な脂肪を吸引して注入する方法など様々です。アフターケアの方法もそれぞれ違います。クリニックでは豊胸手術を受ける前にそれぞれの方法の特徴やダウンタイム、副作用やアフターケアについての説明がきちんと行われます。定期健診やマッサージなど適切なアフターケアをきちんと行うことは、美しいバストの形を維持するための大切なことです。怠ると手術方法によっては形が崩れたり硬くなったりすることもあります。せっかくバストアップして理想の体型を手に入れるのですから、きちんとメンテナンスをして健康と美しさを保っていきましょう。

バストを大きくする整形は、手術の実績がある医療機関ですることが大切です。豊胸手術には何種類かありますが、ポピュラーなのがバッグプロテーゼ挿入法です。バッグプロテーゼ挿入法は、豊胸用インプラントをバストに入れる整形手術です。わきの下を切開して、インプラントを大胸筋の下や乳腺の下などに入れます。豊胸用インプラントで主流となっているのがシリコンです。昔よりも耐久性があるシリコンが増えていて、長持ちするようになっています。ただし、耐久性がないシリコンの場合は、安全のために再手術をして入れ替えをする必要があります。シリコンの品質によって異なりますが、20年に一回は入れ替えをしたほうがいいと言われています。

豊胸手術をすれば、一日で貧乳を改善することができます。自然さを追求するなら、シリコンを入れるバッグプロテーゼ挿入法よりも、脂肪注入法がお勧めです。脂肪注入法は、自分の脂肪細胞をバストに入れる美容整形です。インプラントのように人工的なものをバストに入れると、レントゲンに写ります。しかし、自分の脂肪ならレントゲンに写ることがなく、乳がん検診も問題なくできます。触り心地、見た目共に違和感がない仕上がりになる豊胸手術です。また、脂肪注入法をすれば、同時に脂肪吸引もできます。太ももなどについた脂肪を吸引して、そのままバストの脂肪として再利用できます。数ある豊胸手術の中でも、もっともナチュラルで効果が高い整形です。