慢性化がQOLの低下に

下肢静脈瘤は、下肢の静脈に瘤のような膨らみが生じた状態になります。下肢静脈瘤自体は良性の病気なので、急に悪化して命が危険にさらされる心配がありません。但し、足のだるさや浮腫などはQOLの低下を招くので、慢性化する前に専門の医療機関を受診するのが適切です。当疾患の症状は、殆どがふくらはぎに発生し、午後から夕方にかけて症状が強くなる傾向があります。

また、40歳以上の女性に多く発生し、年齢とともに増加します。加えて、出産経験がある女性の2人に1人が発症すると言われており、遺伝的要因も考えられています。職業的には、立ち仕事で移動が少ない仕事が発症しやすく、1日10時間以上立っている人は、重症化しやすい傾向があります。 下肢静脈瘤は命にかかわる病気ではありませんが、放置すると徐々に悪化する場合があります。重症化すると、湿疹や脂肪皮膚硬化症等が合併し、うっ滞皮膚炎を発症することもあります。

対処法としては、弾性ストッキングを履いて、ふくらはぎの筋肉をサポートするやり方があります。但し、浮腫が慢性化すると、起床時に浮腫が取れにくくなるので、医療機関を受診する必要があります。下肢静脈瘤の治療としては、高位結紮術とストリッピング手術があります。前者は血管をしばる手術で、後者は血管を引き抜く治療法になります。その他、より負担の少ない手術法も開発されており、カテーテルを使う手術方法や高周波を使う手術法が主流になりつつあります。

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