「女性ホルモンの減少」と「加齢による影響」が挙げられます。

更年期に抜け毛が増える原因

考える女性

女性ホルモンが減少すること(FAGA)

男性の薄毛の原因とされているのが、AGAと呼ばれる男性ホルモンによる影響です。 AGAの原因は、DHTと呼ばれる特殊な男性ホルモンの増加と、DHTに反応しやすい生まれつきの体質が重なることで発症します。 男性特有の症状と思われがちですが、実は女性であっても他人事とはいえないのです。 意外に思われるかもしれませんが、女性の体にもある程度の男性ホルモンが分泌されています。 若い年代であれば、女性ホルモンの分泌量が多いため影響は受けにくいのですが、更年期によって女性ホルモンが減少すると、この男性ホルモンの影響を受けやすくなるのです。 そして、男性同様にDHTの反応しやすい体質を持っていた場合、抜け毛・薄毛といった症状が現れるようになります。 これは女性型脱毛症「FAGA」と呼ばれ、主に髪のボリューム低下や薄毛などの症状が見られます。 ただし、女性の体で作られる男性ホルモンの量は少ないため、男性のように髪が全くなくなってしまうような症状は現れません。 その点は安心できますが、やはり髪のボリューム不足によって老けて見られやすいので、女性にとっては悩みの種となるでしょう。

FAGAの特徴

FAGAイラスト http://will-agaclinic.com/characteristic/faga/
  • 主に頭頂部がまばら状に薄くなっている
  • 生え際から頭頂部にかけて、分け目が広がっている
  • 剃りこみが入るように、生え際がM字に後退している
  • 後頭部や側頭部には薄毛・ボリューム不足は見られない

加齢による影響(休止期脱毛)

FAGAのほかに、多くの女性に見られるのがこの休止期脱毛です。 女性は閉経後にヘアサイクルの変化が現れます。 髪を作る細胞が休止期に入る割合が増え、さらに髪も細くなり、成長速度も落ちてしまうため、薄毛や髪のボリューム不足が現れるのです。 また、甲状腺や内臓の疾患による「慢性びまん性休止期脱毛」や、ストレスや栄養不足による「急性休止期脱毛」、その他原因不明の「慢性休止期脱毛」なども、この休止期脱毛に分類されます。

休止期脱毛の特徴

びまん性の抜け毛 https://www.tokyobeauty.jp/lab/datsumosho/biman
  • 全体的に髪のボリュームが減ってしまう
  • 頭頂部だけでなく、側頭部・後頭部にも薄毛が見られる
  • 薄毛症状以外にも、何らかの病を患っている

更年期の抜け毛はいつから始まる?

悩む女性

症状が現れるのは主に40代から

更年期による抜け毛が始まるのは、更年期障害が始まる年代と同じ、40~50代です。 この年代に差し掛かり、「髪の分け目が広い」「髪のボリュームが減っている」などの症状を感じた場合、更年期による抜け毛が始まっている可能性があります。 抜け毛の兆候が見られた場合、早めに対策をするか、婦人科皮膚科などに相談すると良いでしょう。

どのクリニックに相談すべき?自覚症状から選ぶクリニック目安

  • 特に自覚症状はない…婦人科・美容外科
  • 頭にかゆみ・フケなどが見られる…皮膚科
自覚症状がない場合、ホルモンバランスの影響が原因の可能性があります。 そういった抜け毛は更年期障害への治療ができる婦人科か、薄毛治療を専門とする美容外科で治療を受けられます。 頭にかゆみ・フケなどの症状がみられる場合、頭皮の炎症が抜け毛の原因と判断できます。 この場合は専門である皮膚科での診察を受けるとよいでしょう。

今から始める更年期の抜け毛対策

シャンプーの画像

シャンプーなどでのヘアケア

頭皮の状態を健康にすることは、抜け毛・薄毛を抑える上で重要です。 1日1回のシャンプーは、皮脂汚れを洗い落とし、頭皮を清潔な状態にすることができます。 指の腹を使い、髪よりも頭皮を洗うことを意識しながらしっかりとシャンプーしましょう。 洗い終わった後は、シャンプーのヌルヌルがなくなるまで、十分にすすぎをすることも忘れずに。 お風呂上りはタオルで余分な水分を取り除き、ドライヤーで髪を乾かします。 その際、頭皮に風を当てるように、髪をかきわけながら髪の根元に風を当てると良いでしょう。

紫外線を防ぐ

肌に紫外線が当たると、細胞にダメージを与える活性酸素が発生します。 頭に紫外線が当たった場合、活性酸素が髪を生やす細胞にダメージを与えてしまい、抜け毛のリスクを増やす可能性があります。 これを防ぐため、日中はできるだけ日傘や帽子を使用するようにしましょう。 日傘を使用する場合、裏地が白色だと紫外線が反射して髪に当たってしまうので、必ず裏地の黒いUVカット用の日傘を使用しましょう。

生活習慣の改善

日ごろの生活習慣を改めることで、心身を健康に保ち、薄毛になるさまざまな要因を予防できます。 薄毛や抜け毛への対処法として、よくわかめなどの海藻を食べたり、女性ホルモンを増やす大豆などを食べたりすると良い、という話を聞きます。 しかし、それらの食べ物ばかりを極端に食べすぎると、今度は逆に栄養バランスの悪化による抜け毛が増えてしまいます。食事は3食きちんとバランスのとれたメニューを食べましょう。 また、1日1時間程度の軽い運動や、7~8時間の十分な睡眠も、薄毛・抜け毛対策に効果的。 生活習慣の改善は体の健康だけでなく、ホルモンバランスの正常化やストレスの蓄積防止にもつながります。 しかし、日ごろの習慣をガラリといきなり変えるのは難しいはず。なので、継続させることを目的に、少しずつ習慣づけていくと良いでしょう。

女性育毛剤などの使用

髪を生やす薬というイメージが強い育毛剤ですが、市販されている育毛剤には髪を生やすような強い効果はありません。 ただ、育毛剤には保湿効果や血行促進など、頭皮の環境を整える成分が多く配合されています。 毎日1~2回使用することで、頭皮の状態を健康に保ち、炎症による抜け毛予防や髪の成長補助などが期待できます。 注意して欲しいのが、男性用の育毛剤を使用しないこと。 男性用育毛剤は、男性の頭皮を想定して作られているため、女性が使用すると強い刺激を受けることがあります。 育毛剤で頭皮ケアをする場合、必ず女性用育毛剤を使用するようにしましょう。

更年期は体が変化する時期

笑顔の女性 更年期になると、体にはさまざまな影響が現れます。 抜け毛や薄毛なども、そういった更年期による影響の一つ。 軽度の更年期障害であれば、サプリメントなどでの対処も可能ですが、重度になるとクリニックでの治療が必要となります。 そしてこれは、抜け毛などの症状にも当てはまります。 抜け毛が気になる程度であれば個人での対処で十分ですが、頭頂部や分け目が明らかに薄くなっている場合は、専門のクリニックでの治療を受けましょう。 [getpost id="2203"]]]>