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抜け毛・薄毛の原因は遺伝?
遺伝が原因とされる男性型脱毛症(AGA)
AGAは、DHTと呼ばれる特殊な男性ホルモンによって引き起こされる脱毛症です。 男性ホルモンがこのDHTに変化することで、髪の発毛サイクルが短くなります。 すると髪が成長しきる前に抜けてしまうため、髪が細くなる+抜け毛の増加により、頭皮の薄毛が目立つのです。 AGAが起こるのは、遺伝的にこのDHTの影響を受けやすい体質だからだといわれています。 DHTを作る酵素が多く、さらにDHTの感受性が高い人が、このAGAになりやすいのです。女性の抜け毛はAGAとは無関係?女性の薄毛「FPHL」とは
一昔前までは、女性もAGA同様に、男性ホルモンの影響で薄毛になるとされてきました。 女性にも男性ホルモンは少量分泌されるため、女性ホルモンの減少に伴い男性ホルモンの影響が強くなり、結果として薄毛になると考えられていたのです。 これは女性型のAGAという意味で「FAGA」と呼ばれていましたが、近年の研究でこの考えは間違っていると結論づけられました。 薄毛に悩む女性の血中からAGAの原因であるDHTが見つからず、この結果から女性の薄毛と男性ホルモンは関係ないことがわかったのです。 AGAとは異なる女性型脱毛症のことを、最近では「FPHL」と呼ばれています。FPHLの原因は不明
肝心のFPHLが起こる原因ですが、現在でも主な原因は不明とされています。 ただ、要因に関してはさまざまな説が指摘されています。 免疫異常が原因の円形脱毛症や、亜鉛などの栄養不足からくる休止期脱毛症。頭皮の炎症からくる瘢痕(はんこん)性脱毛症、加齢による更年期障害など。 薄毛・抜け毛に関わるこれらの要因が一つ、または複数現れることが、FPHLの原因ともいわれているのです。 特にFPHLに関わるとされているのが、女性ホルモンが分泌される量です。遺伝とFPHLの関係
FPHLの発症と女性ホルモンの関係は以下の通り。https://www.lion.co.jp/ja/company/press/2013/873
女性ホルモンで影響を受ける毛髪に関与する遺伝子を明らかにするため、女性由来のヒト毛乳頭細胞※1を用い、男性ホルモン非存在下で女性ホルモンの有無による網羅的遺伝子解析を行いました。この実験では、最新のDNAマイクロアレイ※2を用い、現在の分析技術で解析できる最多レベルの遺伝子(21,558個)を分析しました。 その結果、毛髪に関与し、女性ホルモンの有無で発現量が変動する遺伝子が203個あり、その内訳は、女性ホルモンの存在下で発現が増加する遺伝子(形態形成や細胞の増殖に関係する遺伝子)が122個、発現が低下する遺伝子(炎症やアポトーシス(細胞死)に関係する遺伝子)が81個であることを確認しました。 https://www.lion.co.jp/ja/company/press/2013/873この研究では、女性ホルモンの分泌量が不足することで、毛髪に関わる遺伝子の働きが低下したことを示しています。 女性ホルモンの量は年齢と共に変化し、特に閉経後は急激に減少。 抜け毛に悩み始める年代は、一般的に閉経が始まる40~50代ですから、条件もピッタリ当てはまります。
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40-60代の薄毛が気になる女性を対象に、洗髪時の抜け毛について分析した結果、閉経後の女性は抜け毛が多くなる傾向があることから(図1)、閉経後の女性ホルモンの減少が女性の毛髪に何らかの影響を与えることを再確認しました。 https://www.lion.co.jp/ja/company/press/2013/873女性ホルモンの分泌量は、日頃のストレスや生活習慣によって左右されます。 しかし、遺伝的な要素も多少含まれるため、FPHLが起こる理由として遺伝も少なからず関わってくるのです。
父親・母親が薄毛だと子供も薄毛になる?
FPHLはホルモンの分泌量と深い関わりがあるため、遺伝的に女性ホルモンが分泌されにくい人の場合、薄毛になるリスクが高いといえます。 そのため、父親・母親が薄毛の人ですと不安になる場合もあるでしょうが、遺伝による影響はわずかです。 両親が薄毛だとしても、FPHLが決定づけられるわけではないので、心配はいりません。 女性ホルモンのバランスを崩すことを防ぎ、毎日健康的な生活を送ることで、FPHLのリスクは抑えられるのです。FPHLになりやすい人の特徴
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特徴チェック表
- 仕事やプライベートでストレスを感じることが多い
- 小さなことでもすぐに悩んだり、不安になったりする性格だ
- いつも寝不足で、起きても疲れがとれていないことが多い
- 生活リズムが不規則
- 日頃運動をほとんどしない
- 食事は外食やお弁当が多く、自炊はほとんどしない
- 肩こりや疲れ、理由のないイライラなど、原因のわからない体の不調がある
- 髪の分け目がいつも同じだったり、いつも髪を縛るスタイルだったりする
- ヘアカラー・パーマ・縮毛矯正を頻繁に利用する
- 年齢が40代以上
- 母方の祖父が薄毛
- 抜け毛が多く、お風呂場の排水口やまくらに大量の抜け毛が見つかる。
- 髪のボリュームが以前に比べて明らかに落ちた
抜け毛を抑える方法は?
対処法1:育毛剤を利用する
育毛剤と聞くと、「使っても髪なんか生えないんじゃない?」と疑ってしまう人も多いでしょう。 一部これは本当で、髪を生やすことを目的とした「発毛剤」とは違い、「育毛剤」には髪を発毛させるほどの高い効果はないのです。 ただし、薄毛・抜け毛改善に全く効果がないわけではありません。 育毛剤には、「今ある髪の成長を促す」効果があります。 髪の成長をサポートすることで、髪が太くなり、髪の薄さが目立ちにくくなるのです。 また、育毛剤に含まれる血行促進効果や頭皮の保湿効果は、頭皮環境を改善し、抜け毛の予防・改善を促すことができます。 男性用の育毛剤だと刺激が強いため、使用する場合は市販の女性育毛剤を購入しましょう育毛剤に否定的なサイト=個人輸入業者のアフィサイト?育毛剤の情報に注意
育毛剤についてネットで調べると、「使うだけで髪がフサフサに!」というような明らかに効果を過剰にアピールするサイトが見られます。 こうしたサイトは当然薬機法に抵触するため問題ですが、それと同じく注意して欲しいのが、育毛剤に否定的なサイト。 「〇〇の育毛剤の△△成分で発毛する根拠はない!」 「日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドラインでは、△△成分は低評価!」 「〇〇の育毛剤を買ってもムダ!育毛剤会社に騙されている!」 といったように、かなりキツイ口調で育毛剤を完全に否定しています。 一見すると、育毛剤の過剰な広告サイトへの反発のために作られたサイトかと思えます。 しかしよく見てみると、こうした育毛剤に否定的なサイトの多くは、発毛剤の個人輸入サイトへのリンクを貼っているのです。 これは何を意味しているのかというと、育毛剤に否定的なサイトは、発毛剤の個人輸入業者の広告を請け負うアフィリエイトサイトだということ。 育毛剤の効果を貶めて、個人輸入業者の発毛剤を買わせようという魂胆のサイトだということがわかります。 きちんとしたクリニックからの処方であれば、発毛剤の使用はなんの問題もありません。 しかし、個人輸入された薬となると話は別です。安全性の不確かな偽造品が紛れ込んでいる可能性があるのです。 実際に個人輸入した薬によって健康被害を受けた事例は多く、厚生労働省でも注意喚起がされています。そもそもの話ですが、育毛剤と発毛剤を同列に評価すること自体が間違いです。 育毛剤は薄毛・抜け毛の予防に、発毛剤は脱毛症自体の治療をするという明確な区分けがされているのです。使用する目的が異なっているのですから、効果の違いを語るのは無意味なことだといえます。 育毛剤を過剰にアピールするサイトと同じく、過剰に貶めるサイトの情報にも注意しましょう。無承認無許可医薬品は、日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく品質・有効性・安全性の確認がなされていません。
検出された医薬品成分の含有量は、必ずしも均一でなく、いちどに摂取すると健康被害を生じるおそれがある量が含まれている場合があります。
また、不衛生な場所や方法で製造されたものであるおそれがあり、有害な不純物等が含まれている可能性が否定できません。
報告されている健康被害については、検出された医薬品成分のみによるものとは限らず、そうした不純物等が関係している可能性もあります。
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/diet/musyounin.html https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html
育毛剤と発毛剤、どちらを選ぶべき?
薄毛の症状が重度の場合、育毛剤よりも髪を生やす発毛剤のほうが効果的だといえます。 しかし、抜け毛が多少気になるだけの軽度の場合、いきなり発毛剤を使うのは治療費や体への負担からもおすすめしません。 また、女性の薄毛症状であるFPHLは男性の薄毛症状のAGAとは異なるため、男性用の発毛剤であるプロペシアやデュタステリドは使用しても効果がありません。 逆に強い副作用が現れるため、プロペシアなどの服用は決して行わないようにしましょう。 発毛剤を使用する場合、女性の薄毛治療を行う婦人科や、美容外科クリニックで処方される発毛剤を使用するのが一番です。fa-check-square
女性の薄毛治療に使われる薬
- ミノキシジル
- パントガール®
対処法2:生活習慣の改善
FPHLは、女性ホルモンの減少が主な原因だとされています。 女性ホルモンの分泌量は遺伝による影響もありますが、最も強く影響を受けるのは普段の生活習慣。 不規則・不健康な生活習慣を送っていると、ホルモンの分泌量も減ってしまい、FPHLになるリスクが増加してしまいます。生活習慣の改善方法
女性ホルモンの減少を抑える生活習慣は、以下の通りです。- ビタミン・タンパク質・ミネラルのバランスを考えた食生活
- 1日1時間、ウォーキングなどの適度な運動
- 7~8時間の十分な睡眠