「女性ホルモン配合」の育毛剤。 「抜け毛の原因は男性ホルモン」という話は有名ですから、いかにも効きそうですよね。 しかし、こうした女性ホルモンが含まれた育毛剤は本当に効果があるのでしょうか?詳しく調べてみました!
女性ホルモンが配合された育毛剤は効果がある?
女性ホルモンが配合されてる育毛剤ってなに?
イソフラボン配合育毛剤
女性ホルモンに近い働きをする成分といえば、大豆などに含まれるイソフラボンが挙げられます。 構造が女性ホルモンに近いため、摂取することで更年期障害を緩和することができるとされています。代表的な育毛剤:スカルプDボーテ エストロジー スカルプセラム
エチニルエストラジオール配合育毛剤
エチニルエストラジオールとは、体内で作られる女性ホルモンの一種「エストラジオール」を合成によって作り出した成分のことです。 エストラジオールは更年期障害の治療薬であり、婦人科では飲み薬や塗り薬として処方されます。 一方でエチニルエストラジオールは医薬部外品であり、ジェミーナ配合錠などの一部飲み薬以外は、主に化粧品などに配合される成分です。代表的な育毛剤:コラージュフルフル育毛ローション&育毛スプレー
女性ホルモン成分の入った育毛剤に発毛効果はない
女性に起きる抜け毛・薄毛は、女性ホルモンの減少が原因だと指摘されています。 そのため、イソフラボンやエチニルエストラジオールが配合された育毛剤で足りないホルモンを補えば、また髪が生えてくると考える人もいるでしょう。 しかし、結論としていえば、これらの成分が直接発毛に働きかけることはありません。なぜ発毛効果がないの?
育毛剤の説明をよく読めばわかりますが、イソフラボン・エチニルエストラジオールはどちらも「保湿成分」として表記されています。 これはつまり、これらの成分が肌の奥にまで浸透することができないことを意味しているのです。 この二つの成分は、どちらも分子が大きく、肌を透過することができません。 そのため女性ホルモンのように体へ直接働きかけることもありませんし、直接発毛させるほど強い効果もないのです。発毛できないなら使う必要はない?
「発毛できないなら買う意味がない!」と考える人もいるでしょう。 しかし、そもそも発毛剤と育毛剤は使用目的が異なるものです。 効果の優劣や、どちらを使うべきかといったことはナンセンスといえます。育毛剤は、「育毛」によって抜け毛・薄毛症状にアプローチする
育毛剤は、抜け毛の原因の一つである頭皮の炎症を抑えたり、薄毛の原因である髪の成長不良を改善することが目的の商品です。 風邪で例えるなら、発毛剤が病原菌を直接攻撃する抗生物質で、育毛剤が風邪の諸症状を抑える風邪薬のようなもの。 抗生物質の効果は強力ですが、一方で副作用も強く、価格も高いです。おまけに風邪の原因がウイルスの場合は効き目も現れないため、気軽に使用することができません。 一方で風邪薬は、効果は低いものの、風邪の症状の緩和や副作用の低さ、さらに薬局で安く買えることから、症状が見られた場合に気軽に使うことができます。 女性の抜け毛・薄毛は女性ホルモンが関係していると考えられていますが、未だにその詳しいメカニズムは判明していません。発毛剤を使ったとしても、抗生物質のように効かない可能性があります。 育毛剤は、発毛剤に比べ副作用が少なく、クリニックでの診察も不要であるため、手軽に利用ができます。 そういった意味で、抜け毛・薄毛に育毛剤は一定の効果をもたらしてくれるのです。育毛剤の効果は?
血行促進で髪の成長をサポート
多くの育毛剤には、頭皮の血行を促進する成分が配合されています。 髪を作る細胞は、頭皮の毛細血管から栄養を得て成長します。 血行促進により、髪を作る細胞が活性化すれば、髪は太く成長しやすくなるでしょう。 女性の薄毛は抜け毛だけでなく、髪の成長不良で細くなることも問題です。 髪の一本一本が太くなれば、その分地肌が透けにくくなり、薄毛が目立たなくなるのです。 実際にアデノシンなどの育毛剤の成分は、頭皮に塗ることで髪の成長を促したとして、論文にもその効果が掲載されています。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/45/1/45_35/_pdf 上の研究の結果では、被験者13名中、8割の11名に薄毛の改善効果が見られたそうです。 このことから、育毛剤による改善効果は確かにあるということがわかります。保湿効果で頭皮の炎症を緩和
ほとんどの育毛剤に含まれているのが、頭皮を保湿する成分です。 頭皮の保湿は、抜け毛の原因である頭皮の炎症を抑えることに役立ちます。 頭皮は、日光からの紫外線や活性酸素、頭皮の悪玉菌の影響など、さまざまなダメージを受けています。 健康的な頭皮であれば、皮脂によってそれらの刺激を防いでいますが、炎症を起こした頭皮は皮脂の分泌が少なくなり、外部からの刺激を受けやすいのです。 頭皮の保湿をすることで、紫外線などの外部刺激を水のバリアによって守ることができます。 外部からの刺激を抑えれば、頭皮の炎症が治まりやすくなり、結果として抜け毛の抑止につながるのです。女性用育毛剤の効果的な使い方
女性用の育毛剤が、より効果を引き出す使い方を紹介します。 まず、育毛剤を着けるタイミングが大事です。 1回目は朝、2回目に夜、3回目はお風呂で髪を乾かした後に使用してください。 つけた後は頭皮へのマッサージを必ずしましょう。 血行が良くなり、育毛剤の成分が頭皮へと浸透しやすくなるからです。 使用する際には、以下のポイントを注意しながら使ってみましょう。- 育毛剤は髪ではなく頭皮につける
- 爪を立てて頭皮を傷つけない
- 育毛剤を着ける前にドライヤーで頭皮を乾かす
- 育毛剤をつけた後はドライヤーを使って乾かす
- 最低でも同じ育毛剤を6ヶ月かけて使用する
女性ホルモン療法で抜け毛治療はできる?
女性の抜け毛の原因
女性の抜け毛の原因は以下の現象によるものと考えられています。- 年齢による老化
- ストレス
- ホルモンバランスの乱れ
- 親からの遺伝